※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。
オリジナルブランドと古着を取り扱う「JUTKA & RISKA〈ユッタク&リスカ〉」のディスプレイは、色ごとに区切られている。
ひとつひとつがどれも個性的で、目移りしちゃう。色鮮やかなアイテムが多い。
高級ブランドが並ぶピーテル・コネリス・ホーフト通り(Pieter Comelisz Hofftstraat)を抜けたところにある、インドネシア料理店「SAMA SEBO〈サマ・セボ〉」でランチ。
またしても、気がつけばもう18時近く。
外が明るいから、時間の感覚がまったくつかめない。
ランチタイムはすでに終わっていたんだけど、「しょうがないなぁ、特別だぞ!」といった感じで、伊武雅刀似の店員さん(おそらくインドネシア人)に、奥の方で唯一空いてるテーブル席へ連れて行ってもらう。
店内にはバーカウンターもあるんだけど、待ってる人がいるくらいお店は大盛況。
出てきたのは、伝統的なインドネシア料理。
一言で説明するのはとってもむずかしいのだけれど、欧州の料理とは味付けが全く違って日本人の口にとてもあうのか、ものすごく美味しかった。
すぐそばにあるミュージアム・スクエア(Museumplein)という広場。
閉まりかけのワゴンに出ていたワッフルとコーヒーを買って、ベンチに座ってひとやすみ。
ゆっくりした時間が、目の前に流れている。
自分という存在をあらためて確認する。
日々の生活がバタバタと忙しいと、つい忘れがち。
広場から続いているムセーウム通り(Museumstraat)は、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)の建物の中を通っていて、歩道は両端、自転車道は中央。
歩いていると、ビュンビュンとものすごい数の自転車に乗った人たちが通り過ぎていく。
20時にもなれば、飲食店以外のお店はほとんど閉まっているので、今夜行く予定のクラブ「Canvas」へ行くまで、逆U字型にアムステルダムの街を練り歩く。
まずは、北西にある「Rush Hour Records」を通りから覗く。
どうやら最近移転をしたらしく、アンダーグラウンド、という言葉からは想像できないほど、店内は広くてきれいそう。
そのRush Hour Recordsから東へ歩いて、10分弱。
雰囲気は、渋谷のセンター街や新宿の歌舞伎町を思わす繁華街で、どこもかしこもワイワイガヤガヤしている。
ずんずんと人混みをすり抜けて行って、「旧教会(De Oude Kerk)」を囲むアウデーケルクス広場(Oudekerksplein)沿いにある「Red Light Radio / Records」へ到着。
外から見えるのは、Red Light Radioの方。
オンラインラジオなので外には音が聴こえない。(てっきり外にも流れているものかと思っていた)
Red Light RadioのSoundcloudのアーカイブをよく聴く私にとって、自分がその現場の前に立っていることはなんだか不思議な感じ。
それは、学生のとき、スペイン坂スタジオ(TOKYO FM)に行ったときと同じ感覚。
(そのときから自分はやってることが変わってないのね)
このエリアはいわゆる「飾り窓地区」と言われる場所。
道路に面したドアはほぼ全面ガラス張りで、ひとつひとつ部屋が箱みたいに区切られている。
部屋の中は赤色で、その中に下着姿の売春婦がお客さんを待っている。
このRed Lightの隣にも、まさにその部屋が並んでいた。(というかむしろそのエリアでRed Lightがある方が不自然な感じ)
ただ、まだ営業時間前なのか(何度も言うけど、まだ空は明るい)、部屋の中で下着姿で焼きそばを食べていた女性と目が合ってしまい、なぜかお互い会釈をした。(ただの気のせいかもしれない)
しばらくその光景が忘れられないまま、Prins Heerlijk〈プリンスヒアレック〉でカフェラテを飲んで、アムステルダム中央駅(Amsterdam Centraal Station)方面を眺めながら、今度は南東へ向かう。
22時過ぎれば、さすがにもう夜。
目的地の「Canvas」は、中心部から少し離れている。
にぎやかだったエリアに背を向けて、住宅街の方へ。
1671年に造られた、現在アムステルダムで唯一の木造の橋となる、マヘレの跳ね橋(Magere Brug)を渡った後、ウェースペル通り(Weesperstraat)をひたすら歩き、ようやく「Canvas」に到着。
Canvasは、Volks hotel〈フォルクスホテル〉の中にあるレストラン・クラブ。
一階にはバーもあって、金曜日を思いっきり楽しんでいる人たちで賑わっている。
エントランスを通ってエレベーターで7階へ。
中に入ると中央にバーカウンターがあり、周りはなんと360度ガラス張り。アムステルダムの街並みが一望できる。
いわゆる大音量で踊るような雰囲気ではないのだけれど、たまにフロアでふらっと踊っては、ちょうど友人も来たので外を眺めながらいろいろおはなし。
DJブースの上には、アンティークっぽいランプがいくつかぶら下がってた。
おめあてのRush HourのRobert Bergmanは結局聴けず、結局深夜バスに乗ってうとうとしながらホテルへ。
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この約2週間後、日本が誇る音楽家であるXTALさんが、このRed Light Radioに出演。
しかも、日本の音楽(ジャパニーズ・ディスコ/ファンク/ソウル)のみの1時間半。
Red Light Radioでは大好きなmixがたくさんあるんだけど、やっぱりこれは日本人としてうれしい事件。
XTAL名義以外でも、Traks Boys、(((さらうんど)))、JINTANA & EMERALDSなど、どれも抜群にセンスのよい楽曲を生み出す彼は、尊敬する音楽家のひとりです。
はぁ、現場にいたかったなぁ。
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XTAL - Japanese Disco / Funk / Soul Mix on Red Light Radio 2016.05.14