2018年7月21日土曜日

《ロブスター・テルミン》レーベルショーケース|Lobster Theremin 5 years in Tokyo

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。


ロブスター・テルミン〈Lobster Theremin〉。

世界初の電子楽器「テルミン」を演奏するかのように、1本の手が「ロブスター(ウミザリガニ)」を操る、愛おしい手書き風のイラストが特徴のロンドン発のこのレーベルは、傘下に〈Mörk〉〈Distant Hawaii〉〈Tidy Bedroom〉という3つのレーベルも持ち、2017年にはレコードショップまでオープンし、ここ数年、ものすごい勢いで拡張し続けている。

また、流通(ディストリビューター)としてのセンスもとっても素晴らしく、数え切れないほどの楽曲を世にリリースしていて、そのファンも世界中に数多く存在する。
私もどちらかというとそのクチで、楽曲を買ったあとで「あ、これロブスター・テルミンがディストリビュートしてるんだ」と知ることがたまにある。

先日、《Pioneer DJ Radio》に提供させていただいたDJmixの序盤で流れるAquatic Languageの「Départ」という楽曲も、Lobster Distributionシリーズのひとつ。
また、中盤で流れるBlair Sound Designの「Overheated」という楽曲は、Lobster Thereminからリリースされているもの。
「星のカービィ」の音がサンプリングされてて、つい顔がにやけちゃう。








基本的にダンスミュージックがメインで、その中でもハウスが一番の軸にはなっているんだけど、ロブスター・テルミンの最高の強みは何と言っても「曲者なのに、どこか人懐っこさがあるところ」に尽きると思う。
楽曲ももちろん、アートワークも含めて、「マニアックな要素」と「キャッチーな要素」のバランスがとにかく絶妙。
あと、このレーベルロゴがそうであるように、「こんなレーベル」と簡単に言いあらわせないところがまた魅惑的でとてもよい。
「なんだろう?」と思うことからすべてがはじまることを忘れてしまう大人になんて、絶対になりたくないもの。

そんなロブスター・テルミンのレーベル設立5周年を記念して、今夜、渋谷Circus Tokyoにて、初来日となるレーベルのボスであるAsquithと看板アーティストのRoute 8を迎え、盛大にお祝いしたいと思います。
いやー、楽しみ。






ちなみに、ロブスターを捕まえる夢を見るのは、いいことが起こる兆しみたい。
信じるか信じないかは、あなた次第だけど。



▼Infomation
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ロンドン発、次世代ハウスシーンをにぎやかす才人を多く発掘するLobster Theremin(ロブスターテルミン)。今年で設立5周年を迎える新興レーベルのボスであるAsquithと看板アーティストのRoute 8が一挙初来日、レーベルショーケースが開催!


LOBSTER THEREMIN 5YEARS IN TOKYO
2018.7.21(SAT) OPEN: 23:00

LINE UP:
-B1 FLOOR-
Asquith (Lobster Theremin)
Route 8 (Lobster Theremin / Nous)
Romy Mats (解体新書 / N.O.S.)

-1st FLOOR-
Sayuri  
DJ Emerald
DJ Razz
T4CKY 

DOOR: 3,000yen
ADV: 2,500yen

TICKETS on RA, Peatix

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Asquith (Lobster Theremin / from London)
ロンドン発、新興レーベル兼ディストリビューターとして近年めきめきと勢いをみせるLobster Theremin(ロブスターテルミン)。そのレーベルボスであるJimmy Asquithは、2013年にレーベルLobster Thereminを設立。Lobster Theremin傘下に3つのレーベル、Mörk、Distant Hawaii、Tidy Bedroomも始動し、また、エレクトロミュージックシーンではグローバルに知られるディストリビューターである。2017年1月にはハックニーにレコードショップ実店舗もオープンさせた。
ロンドンのCorsica Studiosでのパーティー"FIND ME IN THE DARK”は毎回ソールドアウトになるほどの人気ぶりで、Asquithは常に新しい才能をサポートし、Discwoman、Workshop、Antinoteなどとのコラボレーションも行なっている。
海外ツアーをこなしながらも、Rinse FMでレギュラーを担当し、Tom HangやChicago Flotation Deviceといったアーティスト名義でリリースを重ねている。2017年12月にTom Hang名義でのデビューアルバム『To Be Held In A Non Position』をリリース。
今年でレーベル設立5周年を迎え、ロブスター・テルミンのレーベルショーケースとしてのツアーを展開している。
Jimmy Asquith founded the well-renowned label Lobster Theremin in 2013. Since then the label boss has established three imprints including; Mörk, Distant Hawaii and Tidy Bedroom, as well as a respected distribution service used widely within the electronic music scene, and a physical record shop based in Hackney, East London.

Alongside the label, Asquith continues to sell out his Corsica Studios based night Find Me In The Dark, which champions emerging talents and sees collaborations with the likes of Discwoman, Workshop and Antinote. DJing internationally, Asquith simultaneously is producing and performing under multiples aliases all whilst holding down a regular Rinse slot.

On top of that, Asquith’s personal and ambiguous ambient alias, Tom Hang, will be releasing his debut album this December following a heart-wrenching Cafe Oto performance. Part ambient, drone, noise and a tapestry of clouded, intermingling emotions, ‘To Be Held In A Non Position’ is a three-and-a-half year release from stasis; an exhale from a long-held breathe; a shallow sleeper now awake.

On a DJ tip, increased gigs have led to a stylistic shift, a move back to UK-oriented sounds blended with old-school US influences and plenty of new names and talent littered throughout the set lists, alongside occasional older selected digs from the garage-house trove.

The start of 2018 will see a solo Asquith jaunt of North America as well as a Lobster Theremin debut showcase at Motion on January 20th, kicking off the 5 Years of Lobster Theremin European tour.
https://lobstertheremin.com/

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Route 8 (Lobster Theremin / Nous)
ハンガリー、ブダペストのDJ/プロデューサー、Route 8。Lobster ThereminやNousからのリリースによって、その名を知られるようになったが、ハードウェアを使っての音楽制作とその探求は10年以上前から始めている。USのロウなハウスやテクノからインスパイアされた、メランコリックなメロディーと巻き込むようなドラムパターンで、エレクトロやアンビエントまで拡大解釈できるオリジナルなサウンドを追求している。DJ CidermanやQ3Aという名義でも知られる。
Route 8 has only recently gained prominence through the Lobster Theremin and Nous labels, but his hardware production experiments date back almost 10 years. Inspired by the raw-edged US house and techno sound, he has also expanded his work into off-kilter electro and ambient, still inflicted with his melancholia-tinged melodies and ratcheting drum patterns.
https://soundcloud.com/route8


*Photo ID required.
*You must be over 18 to enter.
*No re-entry.
*Please do not bring food and drink.

■CIRCUS Tokyo
3-26-16, Shibuya, Shibuya-ku, Tokyo 150-0002 Japan
+81-(0)3-6419-7520
info@circus-tokyo.jp

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2018年7月19日木曜日

《Friday Lounge》at 渋谷カフェ・アプレミディ|You Forgot&Nariを迎えて

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。


今年の《Friday Lounge》も、早いものでもう折り返し。

後半は、7月、9月、11月の第3金曜日を担当します。(前半は偶数月だったのです)
7月の開催は、もう明日。そう、もう明日。

ゲストには、まず、神様みたいな、妖精みたいな存在のYou Forgotくん。


彼とはじめて会ったのはいつだったか…(忘却…これは私の特技…)なんだけど、とにかく印象的なのが、去年の6月、Mr.G来日公演の時のContact Tokyoのセカンドフロア(CONTACT)。
私の次がYouくんで、Crue-L Grand Orchestraの「(You Are) More Than Paradise (Theo Parrish Translation Long Version 1)」(たしか、こっちのバージョンだったはず)に、レコードの針を落としてパスをしたその後。
彼のロングミックスの華麗さに、同じブースの中で惚れ惚れしたあの光景。これが、ひとつめ。
もうひとつは、さらにそのまま続いた朝までの時間、ぜんぶ。
真裏のメインフロア(STUDIO X)での、Ryosukeさんのプレイも体験しつつだったから、途切れ途切れにはなっちゃったけど、あの日、Youくんが書き上げたひとつの短編小説みたいな空間は、特別なものだった。
(音が止まった後、思わず興奮気味にYouくんに感想を伝えてた記憶あり。これは覚えてる。)





そして、もう一人のゲストは、近年、人気急上昇中のハウス・ミュージック・コレクティブ《CYK》から、Nariくん。



《CYK》を構成する他のメンバーは、Kotsuくん、DJ No Guaranteeこと平井くん、Naoki Takebayashiくん。
全員がDJで、宣伝部長で、クラウドであるこの集団は、今のクラブシーン(「ハウス」を軸にしていろいろな場所)をかき回す、エネルギーに溢れたコミュニティ。
それぞれにセンスがないと成立しないことはもちろんなんだけど、それ以前に、ひとりずつのキャラクターがはっきりしてるのもあって、The Beatlesみたいだな、とひっそり思っていたり。
Nariくんがポール、Kotsuくんがジョン、平井くんがジョージで、竹林くんがリンゴであることは、誰の目から見ても明らかでしょう。

天才バカボンの作者、赤塚不二夫先生がこんなことを言ってた。
「どんな映画も、”若い時”に見なくちゃダメなんだ」と。
“若い時”にしか「感じられないこと」がある、ということだと思うんだけど、彼らの活動を見ていると、それがすごくいい形で映し出されていて、爽快な気分になる。

Nariくんとの出会いも、去年のContact Tokyo、Leon Vynehallの来日公演のとき。
私の前にプレイをしてたんだけど、現場を冷静に見て、雰囲気をコントロールしていたのをよく覚えてる。
彼のその"さりげなさ"は目を見張るものがあって、存在感を出すこともできるし、消すこともできる、魔法使いみたいなDJだなと思う。




というわけで、「聴いてよし」「踊ってよし」のバランスがとれたDJお二方を迎えた、7月の第3金曜日の《Friday Lounge》は明日です。
どうぞお楽しみに!



▼Infomation
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Friday Lounge

2018/7/20 fri at Café Apres-midi
OPEN / START 20:00
CHARGE: FREE

Guest DJ:
You Forgot [UGFY]
Nari [CYK]

DJ:
maa [Hamon Radio]
DJ Emerald
Toru Hashimoto [SUBURBIA]

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抜群のバランス感覚と繊細な審美眼で、一瞬たりともフロアの空気を取り逃がすことなく、フロアを愛でるようにプレイするDJ/You Forgotと、次世代のハウスシーンをリードするコレクティブ《CYK》に所属し、今年、世界基準の野外パーティ《rural》への2度目の出演も決定しているDJ/Nariを迎えて。
ダンスフロアの出演がメインの彼らが作り上げる「セカンドフロア」に、この上ない期待が高まる、貴重な第3金曜日の夜へ。
どうぞお気軽にお越しください。



《Friday Lounge -The third Monday of the month-》
2018年の毎月第3金曜日は、渋谷と原宿のちょうどあいだに位置するビルの5階「Café Apres-midi」にて、maa、Wataru Sakuraba、DJ Emeraldの3人のDJによる「Friday Lounge」を開催しております。