陽が降り注ぐうちは、あたたかい。
ただ、夜は寒いので、まだ厚手のコートを着て出かけてしまう。
でも、もうそろそろ薄手のコートでもいいくらいになってきた。
今日の昼間、近所を歩いていたとき、
私の肩にふわっと薄ピンク色の桜の花びらがのっかった。
「大丈夫。今、絵里ができることを一生懸命やればいいんだよ」
と、天国にいる父が話しかけてくれているようだった。
二本先の通りの角にある公園で遊ぶ子どもたちの声が、うっすら聞こえてくる。
そこに、ぼぉぉぉーという風の音が混ざり合う。
肩の上の小さな花びらは、その風にさらわれて、どこかへひゅっと行ってしまった。
父が亡くなって、丸一年。
そして今、世界は前代未聞の状況にある。
音楽も、静寂も、どちらも同じくらい大切な2020年3月26日の木曜日、午後16時39分。
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