アムステルダムの3日目は、ランゲブルグ通りにある「De laatste kruimel」というパン屋さんから。
次から次へとお客さんが来る人気店。
パンはもちろん、キッシュやスイーツの種類もかなり豊富で迷っちゃう。
ひとつひとつのサイズも、とても大きい。
東方面へ運河をいくつか越えて、レンブラントの家(Museum Het Rembrandthuis、レンブラントハイス美術館)へ。
その名の通り、画家のレンブラントが1639年から20年間住んでいた家。
中に入ると、レンブラントに関連する絵画が壁という壁に展示されているのに加え、レンブラントが住んでいた当時のように再現されている。
家なのでさほど広くはないけど、イメージを掻き立てられる。
私の大叔父(おじいちゃんの弟)は、牧野邦夫という画家だった。(1986年没)
本人とは、小さい頃に数回会ったことがあるくらいだけど、ハンサムだったことをよく覚えてる。
邦夫おじちゃんは、レンブラントにかなり傾倒していて(レンブラント宛に書いた自分の手紙に対して、自作自演のレンブラントからの叱咤激励の返事を書くほど)オランダにも行ったこともあると聞いたことがあったので、自分の中でぐるーっと巡り巡る感覚があるのも含めて、感慨深かった。
シント・アントニースブレー通り(Sint Antoniesbreestraat)にはレコード屋さんや古着屋さんがいくつか並ぶ。
Bis Vintage For Womenという古着屋さんで、オレンジ色のタイトスカートを購入。値段も良心的。
そして、いよいよずっと楽しみだったRedlight RecordsへIN。(詳細はひとつ前の記事で)
細い路地を抜けると、開けっ放しのドア。
こじんまりとした店内に、厳選された中古レコードがずらっと並ぶ。
7インチも、ほんの少しだけ。
私は一枚、Alice ColtraneのLP"Radha-Krsna Nama Sankirtana"を購入。
こちらも値段は全体的に良心的。
ひとつひとつの価値がきちんと反映された金額。
トラムに乗って、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)へ。
フェルメール、レンブラントをはじめとした、17世紀のオランダの黄金時代の作品が充実しているこの場所は、オランダの中でも最大の規模の持つ美術館。
10年間の歳月を経て2013年にリニューアルオープンしたのもあり、館内はきれいに整っていてとても快適。
外の光が差し込む中央スペースも美しい。
「手紙を読む青衣の女」(1662~63) / ヨハネス・フェルメール
「鍍金した酒杯のある静物」(1635) / ウィレム・クラース・ヘダ
それにしても、レンブラントの作品は、本当に邦夫おじちゃんの絵とそっくりだ。
邦夫おじちゃんは、心底、彼の作品を愛し、尊敬していたのだとつくづく感じる。
そのまま歩いてヨルダン地区にあるナイン・ストリート(De 9 Straatjes)へ。
小さな9つの通りに、ファッション、インテリア、コスメ、カフェなどお洒落なお店が立ち並ぶお洒落なエリア。
東京でいうと代官山とか中目黒とかそんな雰囲気。
外は明るいけど、時間帯的にはすでに19時近くなので、お店はほとんどやっていなかったけど、ウィンドウショッピングだけでも十分楽しめる。
そして夜は、今回一番楽しみだったと言っても過言ではない、De Schoolというクラブへ。
中心部から少し離れたところにある、古い学校を改装した建物。
「学校だった」雰囲気は全体的に残しつつ、ところどころにデザインがほどこされていて、DIY感が味わえるとっても素敵な空間。
カフェやレストランも併設している。
ワインとおつまみでひとやすみしたあと、童心に返ったように無性にドキドキしながら、地下のメインフロアへ向かう。
真っ暗でよく見えなかったけど、廊下や階段、窓ガラスなど、学校だったときのものそのままだったと思う。
本当に空間として、パーフェクトな場所だ。
この日のゲストは、ロンドンのDJ/プロデューサーであるJoy Orbisonと、スイスのベルンを拠点にしている女性DJのSassy J。
Sassy Jのプレイが、特に楽しみだった。
彼女のインタビュー(RA Podcast: RA.483 Sassy J - ベルンのDJによる、ダンスフロアの瞑想)は、すごくシンプルにかつコンパクトにまとめられていて、お気に入りのひとつ。
世界でもっとも信頼出来る女性DJは、間違いなく彼女だ。
そして、この日の夜も、それをまったく裏切ることのない彼女のプレイに心を奪われっぱなし。
なんだかこう、一言ずつ、ゆっくり丁寧に、語りかけてくれているような。
彼女の作り上げる温度は、熱すぎず、ぬるすぎない。
彼女の作り上げる高度は、高すぎず、低すぎない。
踊れるのはもちろんのこと、非常に音楽的であることも大きな理由であることは言うまでもない。
De SchoolのDJブースは、360度、お客さんが回りこめるような、少しめずらしいつくりになっている。(とはいえ、前方以外にはあまりお客さんはいない)
ブースの後ろ側へ行って彼女が用意しているレコードをこっそり覗いていると、彼女が振り返って、声をかけてくれた。
「あら、今日Redlightにいたわよね?来てくれてどうもありがとう!」
実は、昼間に行ったRedlight Recordsで、Sassy Jに似た女性が訪れて、レコードを大量に試聴していた。
とても鮮やかな緑色のコートを着た女性は、結局1枚も買わずに、店員さんにごめんなさいね、と謝りつつ、随分と長居していた私たちににこっと笑って、お店を出て行った。
2016年4月30日。
私にとって、忘れられない、大切な1日。
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今年、何十回と聴いた、Sassy JのDJmix。
音楽の旅へどうぞ。
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RA.483 Sassy J