2019年7月4日木曜日

夢のアーカイヴ

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。




ハリウッド映画の危機一髪の状態(あのハラハラする感じ)が、連続的に起き続けているような、夢、をみた。

真夜中の4時半頃、自分の心臓の鼓動が信じられない早さで鳴っていて、その音があまりに大きかったので、びっくりして飛び起きた。
からだ全体にぐーっと力が入っていて、うっすら変な汗をかいて、少しだけ息苦しかった。あぶないあぶない。


夢は、子供の頃からよくみる方で、それは30年以上たった今も変わらない。
眠りが浅いと夢をみる、とか、睡眠中の波(レム睡眠とノンレム睡眠)によってみる夢が変わる、とか、いろいろな研究結果があるけれど、その差を感じたことはない。
それは、夢がすべて「無意識」の上で成り立っているから。

「無意識」の夢の中にいる自分は、そこが夢の中だと思っていないことが多い。
目が覚めて、「あ、夢だったんだ」とはじめて気がつく。

そして、夢の中では「視点」が一箇所に定まらない。
現実と同じように「自分が見ている世界」いうパターンと、映画監督のように「すべてを俯瞰した世界」というパターンがある。
前者の場合は、夢らしい夢、という感じなのだけれど、後者の場合は、いわゆる「カメラワーク」がある。
しかも私の場合、大抵、夢の中に自分が登場することが多い。
ということは、私は、演者でもあり、監督でもある、ということになる。
なんて私の夢は、忙しいんだろう。


自分以外の人と、夢を共有することはとってもむずかしい。
だからこそ、いろんな人の夢の話を、ひとりひとり、じっくり聴いてみたい。
できるだけ、現実と夢のコントラストを、曖昧にしていきたい。

そんなことを思いつつ、「夢」をテーマに話したり、曲を流したり、ゲストのShhhhhさんと語らったりしました。
また、児童文学作家でもあり、私の母でもある牧野節子は、あえて「願望」の方の夢について話しています。
いつでもどこでも、何度でも、お好きな時にお聴きいただけたらうれしいです。

▼Radio Collective #201 DREAM-themed “In Every Second Dream” w/Shhhhh, Setsuko Makino Tokyo(19.5.29)






ちなみに、犬も夢をみるらしい。




2019年5月20日月曜日

昭和のロマンティックは、シンセサイザーに包まれて

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。


photo by Masaaki Hara

昨日の星野リゾートOMO5 × dublab.jpによる『LOUNGE DJ NIGHT』、どうもありがとうございました。
宿泊者の方はもちろん、生後7ヶ月の赤ちゃんを連れた友人夫婦から、”楽しそうだから“とふらっと寄ってくださったご近所に住む老夫婦まで、偶然必然、老若男女が交わる、とても素晴らしい一夜でした。
ライブハウスやクラブなみたいな「非日常」とはまた違った、限りなく日常の延長線上の「非日常」という感じがすごくよかったなぁ。
あっちとこっち、とか、あなたとわたし、とか、よいとわるい、とかじゃなくて、こういう境界線のない世界観を、もっともっと形にしていけたらなと思います。

そして、こんな機会もあまりないので、「昭和」がテーマだった昨晩のDJのセットリストを公開してみます。
私はオープニングだったので、オールディーズっぽい雰囲気でゆるやかに始まり、昭和と言ったらやっぱり「シンセサイザー」、そして「ベタな展開」と、それに反発するような「いびつな存在」ということで、前回のブログにも少し書いたけど、昭和が持つ独特の「ロマンティックさ」を凝縮したつもりです。
こうやって並べて聴くと、あらためて海外の影響を受けているものが多いなと思う。

厳密にいうと、1989年1月7日が昭和の最後の日なので、一部、平成リリースのものもあるけど、「昭和の余韻を残しているもの」という意味で入れています。
言わずもがな、どれもすべて素晴らしい曲ばかり。聴いてみてね。

Doris Day / Sentimental Journey - 1945



坂本九 / ステキなタイミング - 1960



Fairground Attraction / The Moon Is Mine - 1988



Orchestre Michel Legrand / L’Eldorado - 1960



ザ・フォーク・クルセダーズ / 帰って来たヨッパライ - 1967



Mariah / 視線 - 1983



坂本龍一 / Ballet Mecanique - 1986



Wink / SPECIAL TO ME



James Mason / Nightgruv - 1984



宮沢りえ / MOON SHOOTER - 1990

==NO MEDIA==


岡村靖幸 / Lion Heart - 1988



小林麻美 / 雨音はショパンの調べ - 1984



荒井由実 / きっと言える - 1976



CoCo / OUT of BLUE ~ふたりの伝説~ - 1990



吉田美奈子 / Love Shower - 1982



郷ひろみ / 毎日僕を愛して - 1983



La Sellrose Can Can / Aerobicise - 1983



細野晴臣 / BODY SNATCHERS - 1984



中森明菜 / スローモーション - 1982



REBECCA / Moon - 1987



Susan E. / I NEED YOUR LOVE - 1981
==NO MEDIA==


吐痙唾舐汰伽藍沙箱(溶け出したガラス箱) / あんまり深すぎて - 1970



小池玉緒 / 三国志ラヴ・テーマ - 1982










2019年5月18日土曜日

星野リゾートの都市型観光ホテル《OMO5 東京大塚》のLounge DJ Night、私たちのロマン

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。



本日土曜日は、『星野リゾート』初の都市型観光ホテル《OMO5 東京大塚》のラウンジでDJします。
路面電車(東京さくらトラムこと都電荒川線)が走っていたり、古き良きお店が数多く残るレトロな町・大塚をイメージしたセットの予定。
「昭和っぽさ」というやわらかなテーマもいただいていて、国内外問わず選曲していて思ったのは、「圧倒的なロマンティックさ」。
それは、すべての「解像度」が、現代ほどくっきりはっきりしていないからこそ、生まれるものなんだろうな。

ラジオから聴いていた情報は、テレビという目で見る形が主流になり、映像はフィルムからデジタルになり、ディスプレイ上で毛穴まで見えるほどになった。
手紙でのやりとりから、電話・メール・メッセージでほぼリアルタイムで人と繋がれるようになった。
どんどん早く、どんどん正確になっていく中で、私たちはそこにあった「あいだの空間」と「あいだの時間」を失った。

音声だけで受け取った情報(ニュース、ラジオドラマ(テレビが普及するまではラジオドラマが主流))を元にその場面を想像すること、これが「あいだの空間」で、愛する人へ募る想いを手紙にしたためて、そのあとそろそろ届いたかな?と想像すること、これが「あいだの時間」、それぞれのイメージです。
今は、「天気いいね」なんてことも、すぐ相手に伝えられるもんね。

その「あいだの空間」「あいだの時間」こそが、「圧倒的なロマンティックさ」なんだと思う。
私はこの時代の持つ雰囲気がすごく好き、だけど、これが正しいとか、そういうことではまったくない。
実は、この「圧倒的なロマンティックさ」は、形は違えど、どの時代にもあるもの。
現代にもあるし、未来に対してもある。

音声だけではなく、映像で見せるようにすることや、時間差なく想いを届けられるようにすることが、未来に対するロマンでもあったんだよね。

ロマンが、ロマンを生み続ける。ただ、ひたすらに。
それが、人間の性、なのでしょうね。ロマンのループ。


というわけで、今夜は、昭和のロマン、をお届けします。
めずらしいシチュエーションでもあるので、ぜひ、この機会にお立ち寄りくださいね。
私は18時からですが、そのあともdublab.jpメンバーと、ゲストのムード歌謡DJの秘密博士さんが登場します。気になる・・!




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▼Infomation
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大塚の街全体で開催される音楽フェスティバル「OMA」の一貫として、星野リゾート初の都市型観光ホテル「OMO5 東京大塚」のラウンジ “OMOベース“で開催されるラウンジ・ミュージックイベント。音楽プロデュースはACE HOTELの音楽も手がけるLA発インターネットラジオdublabの東京ブランチ「dublab.jp」。大塚の街にインスパイアされた珠玉の選曲で、くつろぎつつも語らいとビールが進む音楽を18:00〜23:00と5時間たっぷり提供します。ぜひお立ち寄り頂き、大塚の夜を探索してください!


OMO5 × dublab.jp “LOUNGE DJ NIGHT”
日時:2019年5月18日(土) 18:00-23:00
主催:星野リゾート OMO5 東京大塚
プロデュース:dublab.jp
協賛:DENON DJ / RANE / Acoustic Revive
入場無料

DJ Lineup
18:00-19:00 : DJ Emerald
19:00-20:00 : AZZURRO
20:00-21:00 : DJ Funnel
21:00-22:00 : 秘密博士
22:00-23:00 : Masaaki Hara

※当日は配信はございませんので、現場に是非お立ち寄りください。

2019年4月29日月曜日

「あいだの季節」に身を委ねて/Light in the Attic RecordsよりJack Sills来日

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。


あったかくなったなぁと思えば、急に肌寒くなったりする。
この不安定な季節の変わり目は、なんだか落ち着かなくて、少しそわそわしてしまう。
着るものに悩んだり、とか、温度差にからだが馴染まなくて物理的に調整が大変だ、とか、そういうこともあるんだけど、外に出てさらに気がつくことは、この「あいだの季節」は、一年の中で最も「色の情報」が多いということ。
春が桜、夏が太陽、秋は紅葉で、冬が雪、というと極端だけど、今の時期のような「あいだの季節」は、前後の季節の色が混ざり合って、それぞれが見え隠れしている。
故に、私たちはそわそわせずにいられない。
過去を少し振り返り、未来に少し期待をし、現在を少し見つめ直してみる。
タイムスリップってこんな感じなのかも。


そんな「あいだの季節」にぴったりな音楽に、今日、出会えた悦び。
読書のBGMなんかにもよさそう。
こういうのをひたすら爆音で聴けるイベントとかあったら最高だなぁ...。

The Caretaker's An Empty Bliss Beyond This World

・・と、とろけそうになる意識を取り戻して。


日が変わり本日、4月29日(月)は、下北沢駅の高架下にあるユニークなスペース「下北沢ケージ」に併設するアジアンレストラン「ロンヴァクアン」にて、《dublab.jp》メンバーみんなでグッドミュージックをお届けします。
また、細野晴臣のリイシューや日本の環境音楽のコンピなどをリリースしているシアトルのレーベル《Light in the Attic Records》のJack Sills(from L.A.)が、急遽DJで参加(!)することになりました。






オールラウンダーな彼のDJmixは、どれも程よい温度&湿度ですごく居心地がよいです。
David ByrneがプロデュースしたニューウェーブのバンドB-52’S、「シェルブールの雨傘」などで有名なMichel Legrand、かと思えば、近年再評価がされている清水靖晃、阿川泰子、そして、沖縄民謡のような曲から、堂島孝平(!)まで、ジャンルも国境も越えた音楽への愛情の深さがひしひしと伝わってきます。
上記以外にもジャズ、ブルース、フォークなどなど、本当にあらゆるジャンルの「古き良き」をぎゅっと閉じ込めた宝箱のようなMixばかり。
気に入ったらあれもこれも手を出してしまうタイプなんだろうなぁ。


ちなみに、清水靖晃さんのインタヴューを、《dublab.jp》のボス、原雅明さんがしている記事を偶然に発見。

いまはiPhoneに全部詰めて、シャッフルにして聴いてます。そこにはサブちゃん(北島三郎)からジョン・ケージまで入っていて、そうすると間がいいときはすごく気持ちがいいんです(笑)

清水さんの音楽の聴き方にあらためて共感...。これって、近代の産物だよね。



ちなみに《dublab.jp》メンバーは、みんなそれぞれカラーが違う人ばかりなので、今日のイヴェントは、ずっと「あいだの季節」っぽいかもしれない。
そして、ずっとiPhoneのシャッフルしているような感じかもしれない。

どうぞ、少しそわそわしながらお越しくださいね。
「TOKYO BOOK PARK Vol.6」も同時開催中です。
あなたの運命を変えてしまう奇跡の一冊に、出会えるかも。




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▼Infomation
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#BACKGROUNDMUSICCLUB
supported by dublab.jp @ Shimokitazawa Cage / LỒNG VÀ QUÁN

日時:2019年4月29日(祝・月) 15:00-22:00
会場:下北沢ケージ&ロンヴァクアン http://s-cage.com/
東京都世田谷区北沢2-6-2 京王井の頭線高架下
※当日のストリーミング放送はありません
※ロンヴァクアンは通常営業のため、1オーダー制となります。

Labrat DJs:
g05k, AZZURRO, Agata, Yuki Tamai, Takahiro Saito, DJ Emerald, DJ Funnel, Toru Hashimoto, Masaaki Hara, K-OGEE, Hi-Ray(出演順)

https://dublab.jp/2019/04/backgroundmusicclub-2/



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同時開催中
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「TOKYO BOOK PARK Vol.6」

☆日時
2019年4月27日(土)12:00〜20:00
_______28日(日)11:00〜20:00
_______29日(月・祝)11:00〜19:00

☆参加店
にわとり文庫/文紀堂書店/古書明日/丸三文庫/古書サンカクヤマ/クラリスブックス/マグニフ/スノウショベリング/BOOKS 青いカバ/尾花屋/古書フローベルグ/カタリ文庫/東京くりから堂/一角文庫/リズム&ブックス/nano/heureux/T3-TOYS/雑貨屋ミッテ/SLOPE

☆ゲストブース
◎ステレオテニス ◎テンテンコ ◎しまおまほ






2019年4月13日土曜日

《Meakusma x dublab.jp》、好きなことを徹底的にやること。

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。


忙しない日常の中から見えるものもあるし、
しっかり立ち止まることで見えるものもある。

アイディアは、時間があればあるだけ生まれるわけじゃないし、
かといって、予定をぎゅうぎゅうに入れすぎると息がつまってしまう。(私はね)
そのあいだの「バランス」を上手にとることが大切だなぁと、最近かなりダイレクトに感じています。
できるなら、自分の「好きなこと」を見つけて、それに向き合っていくことができる人生がいいよね。

そんな、自分たちの「好き」を凝縮させた、ベルギーのインディペンデント音楽レーベル《Meakusma》(ミアクスマ)の主催のふたり(Michael KreitzとChristophe Houyon)が初来日するということで、東京公演のサポートを《dublab.jp》でします。

まず、私も大好きな、彼らの2年前のDJmix。




 “エクスペリメンタル”っていう言葉ひとつで括られるカテゴライズも、個人的にはそろそろアップデートしたいと思ってるんだけど、こういう予想のつかない、区切りのない、でも輪郭はあって、自由自在で、信念のある、形あるもの(音楽は形、とは言えないかもしれないけど)は、やっぱり私にとってものすごく魅力的です。

そして、彼らは地元のベルギーで自分たちの情熱を注ぎ込んだフェスティバルも開催しており、選び抜かれたアーティストが出演しています。
「非対立的な観点に立ち、繊細さと奥深さを目指すこと」をモットーにしているだけあって、なんともしびれるメンツ。ドイツの《dublab》も参加しています。

Tashi Wada with Yoshi Wada and Friends - Fanfare

Eli Keszler (live)

Kali Malone - Organ Dirges 2016-2017 [Ascetic House]

Miho Hatori | Recycle Dat Shit (Improv) | The Blue Room


そんなミアクスマの空気を、たっぷりお届けできたらと思います。
下北沢駅の高架下にあるアジアンレストラン「ロンヴァクアン」にて、リラックスした時間をお過ごしください。
エントランスフリーでこんな機会、めったにないよ◎

ちなみに土曜日の今夜は《EM Records》と共同主催の大阪公演。
ああ、行きたい。
そして、ベルギーにも行きたい。
関係ないけど、ヴェネチアにも行きたいし、ギリシャにもエジプトにも行きたい。



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▼Infomation
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Meakusma X dublab.jp @ Shimokitazawa Cage / LỒNG VÀ QUÁN

日時:2019年4月16日(火) 20:00-23:00
会場:下北沢ケージ&ロンヴァクアン http://s-cage.com/
※当日のストリーミング放送はありません。
※ロンヴァクアンは通常営業のため、1オーダー制となります。

Guest DJ:The Meakusma Soundsystem (Michael Kreitz & Christophe Houyon)
Live:Ultrafog
Labrat DJs:DJ Emerald, Hi-Ray
Design:Kotsu(CYK/UNTITLED)


4月16日は、下北沢ケージ&ロンヴァクアンにてベルギーのレーベルMeakusmaとコラボレーション。
当日は、良質なエレクトロニック・ミュージックのリリースとフェスの開催で知られる同レーベルのMichael KreitzとChristophe Houyonが登場。LAのレーベルMotion Wardなどからのリリースで知られるUltrafogがライブを披露し、Labrat DJのDJ EmeraldとHi-Rayがサポートします。
当日の配信はありませんので、貴重なDJセットを、ロンヴァクアンのアジア料理+お酒とともにお楽しみください。

https://dublab.jp/2019/04/dublab-jp-meakusma-shimokitazawa-cage-long-va-quan/



2019年4月3日水曜日

桜と、月と、レディ・ブルー。

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。



今夜は、去年の9月にオープンしたばかりの「ブルーノート・ジャパン」が手がける新業態のカフェ/レストラン/ バー《Lady Blue》にて、インストアDJイベントに出演します。
「桜」をテーマに、3時間たっぷりお届けします。

「桜」というと、花が咲いている姿形の印象がどうしても強くなりますが、その「花が咲く」というのは、あくまで過程のひとつ。
花が咲くよりも前から、桜の木そのものはずっとそこにあり、また、花が咲き散った後も、桜の木そのものはずっとそこにあります。

先日の私のラジオ番組《In Every Second Dream》でテーマだった「月」も、決まって、夜に光り輝く姿形だけを私たちは「月」と呼びますが、月そのものはずっとそこにあります。




そんなことをぼんやりと思いつつ、歌うことが大好きだった父へと、今まで出会ったすべての人たち、そして、これから出会うかもしれないすべての人たちへの想いを込めて、込めて、込めて。

3月はカワムラユキさん、2月は高野寛さんなど、錚々たる顔ぶれの中、お声がけいただいた青野賢一さん、ありがとうございます。

大手町駅から徒歩1分の《Lady Blue》、とっても素敵なお店です。
19時~22時です。
チャージフリーですので、お気軽にお越しくださいませ。



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▼Infomation
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【EVENT】In-store DJ Live: DJ Emerald(2019.4.3 wed.)

4月のディナータイムBGM&インストアDJのテーマは「Cherry Blossoms」。
DJ/セレクターには国内外で活躍の幅を広げるDJ Emeraldを迎え、春の光と浮遊感を独自の世界観で鮮やかに表現します。
インストアDJイベントはチャージフリーとなりますので、お気軽にお立ち寄りください。

■DJ : DJ Emerald
■DATE : 2019.4.3 wed.
■TIME : 19:00 – 22:00
■CHARGE : FREE


レディ・ブルー

〒100-0004 東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイス1F
Tel 03-3278-8808
Opening Hours 11:30~23:00(Saturday 11:30~22:00)
Holiday  Sunday
http://ladyblue.jp/








2019年4月1日月曜日

パパ、ありがとう。

※こちらの記事は、HOUYHNHNMブログ『Escape by Melody《メロディによる逃走》』に掲載されていた内容です。


2019年3月26日(火)に、私の父が息をひきとりました。
享年68歳でした。
4日前の3月22日に、突然、危篤の連絡が入り、できる限り病院へ通いましたが、酸素マスクがないと呼吸ができないほどだったので、できる会話も限られていました。

娘である私と、私の妹のことは、自分で言うのもなんですが、かなり可愛がってくれました。
他人に弱みを決して見せず、いつも前向きに明るく振る舞ってくれていました。
そんな父も酸素マスク越しに「死にたくない」と、口にしました。
医師でもある父は、自分のからだのことを、誰よりもわかっていたのだと思います。

「パパががんばらなくちゃね」
「そうだよ!また、来るからね」

その会話を最後に、父は帰らぬ人となりました。

ただ、父の最期を看取ることができたこと、そして、父が苦しまずに、静かに眠っているかのように息をひきとったことは、悲しみの中の唯一の安らぎでした。
冷たくなった父の手を握りしめ、「パパ、ありがとう」と、何度も何度も、大きな声で伝えました。
看護師さん曰く、「耳」はからだの中で最後まで機能している、と言われているそうです。返事はなくてもきっと聴こえていますよ、と優しく声をかけてくれました。


無事に、身内だけのお通夜と葬儀、告別式が終えることができました。
気がつけば、蕾だった桜がいつの間にか、満開になっていました。


今回、「納棺の儀」というものを、はじめて体験しました。
映画「おくりびと」を見たことがある方はご存知かもしれませんが、「納棺の儀」は、故人の「旅支度」として、故人のからだを清潔にしたのち、お着替えとお化粧(ラストメイク)をするのと同時に、家族が故人にしっかりお別れをするための準備を整える儀式です。

自然なお化粧をすることで、まるで父が生き返っているような、そして、目はつむったままですが、少し微笑んでいるような、そんな風に見えました。



次の日の早朝、私は、夢と想像のあいだを彷徨っていました。
私が、何度も何度も「パパ、ありがとう」と言っても、酸素マスクをした父は目を閉じて眠ったままだったのですが、しばらくすると、ゆっくりと目をあけて、私の方へ顔を向け、私は驚きます。
そして、父が私の目をしっかり見つめて、ゆっくり「うん、うん」と、首をうなずかせるのです。
私は、涙が止まりませんでした。


亡くなっていく人が、最後にどう思っているかは、誰にもわかりません。
それを決めるのは、その亡くなっていく人の前にいる自分自身なんだと、強く感じました。


棺には、父の好きだった曲の歌詞の一部と、私からの手紙を入れ、お通夜の後と葬儀の後の食事の時間には、父の好きだったであろう曲をまとめたプレイリストを流しました。
私にできることは、たったそれだけでした。


私にとって、今年の桜は、今までで一番、特別です。
そして、これからの桜の季節は、ずっとずっと、特別です。



まだこれからもバタバタするとは思いますが、少しひと段落したので、このような形でお知らせさせていただきました。
また、一部の方には、ご心配・ご迷惑をおかけしましたが、おかげさまでなにひとつ滞ることなく、父を送り出すことができました。
どうもありがとうございました。


いろんな人の想いがある世界で、
答えのない世界で、
生きるとはどういうことか、
死ぬとはどういうことか。