2019年11月26日火曜日

WW TOKYO >>> Berlin x Tokyo 2019

先日、ジャイルス・ピーターソンが立ち上げた《Worldwide FM》内の松浦俊夫さんの番組《WW TOKYO》に出演しました。


クールな松浦さんのお茶目な一面に笑いをこらえる私

東京は夜の20時、ベルリンはちょうどお昼時。
浅草にある『WIRED HOTEL Asakusa』から、オンラインで全世界に向けて生配信、ということで少し緊張もしましたが、ホテルに泊まりにきている外国人の方々も多く、「(英語で)よかったよ〜」と声をかけてもらったり、あたたかいお客さまとスタッフのみなさんに囲まれて、終始楽しい時間でした。

今回は、11月29日に開催されるベルリン・東京姉妹都市25周年と、クラブカルチャーで活躍する女性アーティストの存在を祝福するパーティ《Berlin x Tokyo 2019》をフィーチャーした放送ということでお呼びいただいた形です。


松浦さんとは、本当は、10月のジャイルス・ピーターソンの来日公演でご一緒する予定でしたが、台風の影響で中止になってしまったこともあったので、そのこともイマジネーションしながらプレイしました。



放送のアーカイヴはこちらからか、下のMixcloudで聴くことができます。




また、複数のコンセプトを混ぜ合わせてDJをする機会もなかなかないので、当日流したトラックを、1曲ずつ解説してみたいと思います。


■Kasai Allstars / Félicité Three (RAMZi Remix) [Crammed Discs]
コンゴ民主共和国(アフリカ大陸のほぼ真ん中にある国)のキンシャサ(首都)に拠点をおく音楽グループ・カサイ・オールスターズの楽曲を、カナダの女性プローデューサーRAMZi(ラムジ)がRemix。
通称「電気フォルクローレ」の匂いはそのままに、彼女のスパイスがしっかり散りばめられています。さすが、の一言。
アルバム自体は、アラン・ゴミス監督の映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』のサントラ。
ちなみにこの映画は、2017年、ベルリン国際映画祭審査員大賞を受賞しています。




■Melodiesinfonie / Keep on Searching [JAKARTA]
1993年生まれのスイス・チューリッヒのビートメイカーによる、ソウルフルでジャジーなサウンド。
今回流した曲で、ダントツに松浦さんのことを考えながら選んだ一曲。
ドイツ・ベルリン名門レーベル《JAKARTA》より、今年の作品です。



■Pete Josef / Something Good [Sonar Kollektiv]
ベルリンのグループ・Jazzanovaが主催する老舗レーベル《Sonar Kollektiv》からリリースされている、ピート・ジョセフによるフル・デビュー・アルバム「Colour」より。
四季の移り変わりの見ているかのような、美しさと儚さが共存する作品です。
こちらは、ジャイルスの来日公演のときに流したいな〜と思っていた楽曲なんですが、よく調べたら、3年前に恵比寿ガーデンホールで行われた「Montreux Jazz Festival」で、ピートとジャイルスは共演していました。びっくり。



■Voices In Latin / Hideaway [Morgan]
イギリスの女性作曲家・Barbara Moore(バーバラ・ムーア)が率いるブラジリアン・コーラス・グループ。
ラテン、とあるように軽快なイメージの方が強いですが、「Sunny」のカバーなどしっとり聴かせる楽曲も多く、特に今回流した「Hideaway」は、何度も何度もからだに染み込ませるように聴くのがお気に入り。
メジャーとマイナーを思わせぶりに行き来するコード展開に胸が高まります。1968年の作品。



■Still Parade / Actors (Niva Remix) [Not On Label]
ベルリン在住のNiklas Kramer (ニクラス・クレイマー) の楽曲を、ストックホルムのトラックメイカーNivaがRemixしたもの。
2013年に「XLR8R」という音楽情報WEBサイトで無料でダウンロードしたんですが、こうやっていまだにDJで流すことがあったり、何気に重宝している楽曲。
(調べたら今でもこちらからダウンロード可能)
DJをはじめたばかりの頃、この「XLR8R」にある楽曲を片っ端からダウンロードしていた時期もありました。なつかしい!
ちなみに「XLR8R」は去年から、サブスクリプション・サービス「XLR8R+」もはじめたみたい。



■Marlene Dietrich / Ich Hab'noch Einen Koffer In Berlin [Columbia]
ベルリン生まれの女優であり歌手のマレーネ・ディートリヒによる「ベルリンのスーツ・ケース」。
男性的な衣服を着て中性的なスタイルのトレンドを生み出し、また、ナチスの時代も生きながらも、生涯を通して政治の透明性を訴えた彼女。
そんな彼女の楽曲を選ばない、という選択肢はありませんでした。



■Ambien Baby / Light & High [FATi Records]
1曲目で紹介したRAMZiが立ち上げたレーベル《FATi Records》より、同じくカナダの女性プロデューサーD. Tiffanyと、NAPことDan RinconによるプロジェクトAmbien Babyのミニアルバムより。
RAMZiもD. Tiffanyも、ここ数年のうちにすっかり虜になってしまった女性アーティストです。




■Tuff Sherm / Ska Console [Orphan. Records]
ニューヨークのレーベル《Orphan. Records》からリリースされたコンピレーション『Or.VA1』に収録された、オーストラリアの奇才トラックメイカー、Tuff ShermことDro Careyによる楽曲。
このコンピレーションは「世界メンタルヘルスデー」である10月10日に発売され、収益はメンタルヘルスと学習障害に苦しんでいる子供と家族の生活をサポートする非営利団体『Child Mind Institute』に寄付されるそうです。(出典:AVYSS



■RIP Swirl / Noseblunt [Public Possession]
ミュンヘン発の個性派レーベル《Public Possession》より、ベルリン拠点の新鋭プロデューサーRIP SwirlことLuka Seifertの新作EP。
ハウス、エレクトロニカ、ブレイクビーツ、アンビエントなど、歪み具合も含めて絶妙なバランスな本作を聴いて、すでに次回作が楽しみなくらい。
特にこの「Noseblunt」のような、追いかけても追いかけても追いつかないエンドレスな雰囲気の楽曲に、私はいつもノックアウトされます。(ラストの曲もとろける…最高)
これは、イベント当日もかけちゃうかも。




というわけで、今週金曜日の《Berlin x Tokyo 2019》へ向かって、気持ちは一直線。

メインフロアは、ベルリンからSarah FarinaとDASCOが来日。ベテランのDJ Naz ChrisさんとKATIE SE7ENさんに加え、世界を股にかける音楽プロデューサーSapphire Slowsも出演します。
セカンドフロアは、DJ Honeypantsと私の2人会、朝までたっぷりお届けします。




また、前日の28日には、リニューアルオープンしたばかりの渋谷パルコに移転したDOMMUNE、別名『SUPER DOMMUNE』でのパフォーマンス(トークセッションとDJ)もあります。(出演:Naz Chris、Sapphire Slows、Sarah Farina、DASCO)
2夜とも足を運んでいただき、思いっきり楽しんでいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


 



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▼Information
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ベルリン、東京姉妹都市25周年を数える2019年。アートやサブカルチャーの領域においても、ラディカルな自己表現や強烈な独自性で世界を驚かせてきたこの2都市を舞台に、クラブカルチャーで活躍する女性アーティストの存在を祝福する一晩限りの音楽イベント「Berlin x Tokyo」を2019年11月29日、Circus Tokyoにて開催!

DJとして偉大な功績を残すだけでなく、クラブカルチャーにおける多様性実現に貢献するベルリンおよび日本の女性アーティストらを集結させ、両都市間の化学反応をドイツ大使館に代わってお届けします。日本とドイツから生まれた希望の音が、渋谷の夜にこだまする一夜をお見逃しなく。

This year is the 25th anniversary of the close citizen friendship between Berlin and Tokyo, which also extends to the fields of art and subculture.

On November 29, we would like to celebrate this special connection at the mega city's beloved club, Circus Tokyo and focus on the well deserved rise of female artists in Japanese and German club culture!

On behalf of the German Embassy, we bring together great women from Berlin and Tokyo who are not only successful DJs, but also support diversity in club culture by speaking out and taking action.

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Berlin x Tokyo 2019
2019年11月29日(金)東京都 Circus Tokyo
OPEN 22:00
ENTRANCE ¥2500

<出演者>
Main Floor
Sarah Farina (from Berlin)
DASCO (from Berlin)
DJ Naz Chris
KATIE SE7EN 
Sapphire Slows

Lounge
DJ Emerald
DJ Honeypants


CIRCUS TOKYO ACCESS
〒150-0002 Tokyo, Shibuya City, Shibuya, 3 Chome−26−16 第五叶ビル

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また、11月28日(木)21:00よりDOMMUNEにて、クラブイベントの出演者によるパネルディスカッション Scopes TOKYO x DOMMUNE 「Berlin x Tokyo 2019: Creating Togetherness in Club Culture」を配信いたします。詳しくはこちらから。

We will stream a special programme DOMMUNE on November 28th at 9 pm for a panel discussion, available as a live stream.
The panel will take place in Japanese with English translation.
See more details here.
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NIONについて
「ヨーロッパと日本の橋渡し」を一つの目的として活動をするベルリンのアソシエーション、NION。過去にもドイツ大使館との協働によりナイトライフおよびクラブカルチャーに関するイベントを開催しています。ベルリン、東京姉妹都市20周年を迎えた2014年には、クリエイティブ産業に焦点を当てた2日間に渡る展示会、BERLIN x TOKYO RESONANZを企画。その後はUNIT Tokyoにて、Dasha Rushや真鍋大度率いるYour Cosmosを始めとした有名アーティストを招いたクラブイベントを開催。またDOMMUNEとのコラボレーションはちょうど5年前にあたる2014年11月28日にも行われています。レジェンド宇川直宏とベルリンからのゲスト・アーティスト黒川良一が、ベルリン当時最先端のデジタルアートや音楽について語り合いました。



協賛
Native Instruments
Adidas
ドイツ大使館
ベルリン・パートナー
株式会社スペースデザイン
The Royal Park Canvas – Ginza 8

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