映画『女は女である(Une Femme est Une Femme)』が、あなたとの最初の出会いです。
真っ暗な部屋の中でブラウン管越しに観たその世界に、私は衝撃を受けました。
映画監督であり、また、あなたの当時の夫であるジャン=リュック・ゴダール (Jean-Luc Godard)が作り出す場面ひとつひとつに、息をするのも忘れるほどでしたが、その中でも突出してあなたがものすごく魅力的で、キュートで、完璧でした。
そして、あなたのようなファッションを好むようになりました。
特に「赤色」と「傘」が好きになりました。
あと、フランス語を勉強するための本を買いました。
まったく上達しませんでしたが、「太陽(Soleil/ソレイユ)」が男性名詞、「月(Lune/リュヌ)」が女性名詞ということはすぐに覚えることができました。
映画『気狂いピエロ(Pierrot Le Fou)』が、あなたとの二度目の出会いです。
あなたが歌う『いつまでも愛すると言わなかった(Jamais Je ne T'ai dit que Je T'aimerais Toujours)』と『私の運命線(Ma Ligne De Chance)』が特に大好きで、片言なフランス語で真似をして歌っていました。
ツイストのシーンも大好きでした。
また、余談ですが、タイトルをもじって「気狂いレモン」という自分の曲を作って歌っていたこともありました。
今思えばこの曲は、あなたが主演の『アンナ(Anna)』という別の映画の中で歌われている『太陽の真下で / Sous le soleil exactement』に少し似ています。
東京は夜の20時、ベルリンはちょうどお昼時。
浅草にある『WIRED HOTEL Asakusa』から、オンラインで全世界に向けて生配信、ということで少し緊張もしましたが、ホテルに泊まりにきている外国人の方々も多く、「(英語で)よかったよ〜」と声をかけてもらったり、あたたかいお客さまとスタッフのみなさんに囲まれて、終始楽しい時間でした。
今回は、11月29日に開催されるベルリン・東京姉妹都市25周年と、クラブカルチャーで活躍する女性アーティストの存在を祝福するパーティ《Berlin x Tokyo 2019》をフィーチャーした放送ということでお呼びいただいた形です。
■Melodiesinfonie / Keep on Searching [JAKARTA]
1993年生まれのスイス・チューリッヒのビートメイカーによる、ソウルフルでジャジーなサウンド。
今回流した曲で、ダントツに松浦さんのことを考えながら選んだ一曲。
ドイツ・ベルリン名門レーベル《JAKARTA》より、今年の作品です。
■Pete Josef / Something Good [Sonar Kollektiv]
ベルリンのグループ・Jazzanovaが主催する老舗レーベル《Sonar Kollektiv》からリリースされている、ピート・ジョセフによるフル・デビュー・アルバム「Colour」より。
四季の移り変わりの見ているかのような、美しさと儚さが共存する作品です。
こちらは、ジャイルスの来日公演のときに流したいな〜と思っていた楽曲なんですが、よく調べたら、3年前に恵比寿ガーデンホールで行われた「Montreux Jazz Festival」で、ピートとジャイルスは共演していました。びっくり。
■Voices In Latin / Hideaway [Morgan]
イギリスの女性作曲家・Barbara Moore(バーバラ・ムーア)が率いるブラジリアン・コーラス・グループ。
ラテン、とあるように軽快なイメージの方が強いですが、「Sunny」のカバーなどしっとり聴かせる楽曲も多く、特に今回流した「Hideaway」は、何度も何度もからだに染み込ませるように聴くのがお気に入り。
メジャーとマイナーを思わせぶりに行き来するコード展開に胸が高まります。1968年の作品。
■Marlene Dietrich / Ich Hab'noch Einen Koffer In Berlin [Columbia]
ベルリン生まれの女優であり歌手のマレーネ・ディートリヒによる「ベルリンのスーツ・ケース」。
男性的な衣服を着て中性的なスタイルのトレンドを生み出し、また、ナチスの時代も生きながらも、生涯を通して政治の透明性を訴えた彼女。
そんな彼女の楽曲を選ばない、という選択肢はありませんでした。
––––––––––––––––––––––– ▼Information ––––––––––––––––––––––– ベルリン、東京姉妹都市25周年を数える2019年。アートやサブカルチャーの領域においても、ラディカルな自己表現や強烈な独自性で世界を驚かせてきたこの2都市を舞台に、クラブカルチャーで活躍する女性アーティストの存在を祝福する一晩限りの音楽イベント「Berlin x Tokyo」を2019年11月29日、Circus Tokyoにて開催! DJとして偉大な功績を残すだけでなく、クラブカルチャーにおける多様性実現に貢献するベルリンおよび日本の女性アーティストらを集結させ、両都市間の化学反応をドイツ大使館に代わってお届けします。日本とドイツから生まれた希望の音が、渋谷の夜にこだまする一夜をお見逃しなく。 This year is the 25th anniversary of the close citizen friendship between Berlin and Tokyo, which also extends to the fields of art and subculture. On November 29, we would like to celebrate this special connection at the mega city's beloved club, Circus Tokyo and focus on the well deserved rise of female artists in Japanese and German club culture! On behalf of the German Embassy, we bring together great women from Berlin and Tokyo who are not only successful DJs, but also support diversity in club culture by speaking out and taking action. ____________________________________________________ Berlin x Tokyo 2019 2019年11月29日(金)東京都 Circus Tokyo OPEN 22:00 ENTRANCE ¥2500 <出演者> Main Floor Sarah Farina (from Berlin) DASCO (from Berlin) DJ Naz Chris KATIE SE7EN Sapphire Slows Lounge DJ Emerald DJ Honeypants CIRCUS TOKYO ACCESS 〒150-0002 Tokyo, Shibuya City, Shibuya, 3 Chome−26−16 第五叶ビル ____________________________________________________ また、11月28日(木)21:00よりDOMMUNEにて、クラブイベントの出演者によるパネルディスカッション Scopes TOKYO x DOMMUNE 「Berlin x Tokyo 2019: Creating Togetherness in Club Culture」を配信いたします。詳しくはこちらから。 We will stream a special programme DOMMUNE on November 28th at 9 pm for a panel discussion, available as a live stream. The panel will take place in Japanese with English translation. See more details here. ____________________________________________________ NIONについて 「ヨーロッパと日本の橋渡し」を一つの目的として活動をするベルリンのアソシエーション、NION。過去にもドイツ大使館との協働によりナイトライフおよびクラブカルチャーに関するイベントを開催しています。ベルリン、東京姉妹都市20周年を迎えた2014年には、クリエイティブ産業に焦点を当てた2日間に渡る展示会、BERLIN x TOKYO RESONANZを企画。その後はUNIT Tokyoにて、Dasha Rushや真鍋大度率いるYour Cosmosを始めとした有名アーティストを招いたクラブイベントを開催。またDOMMUNEとのコラボレーションはちょうど5年前にあたる2014年11月28日にも行われています。レジェンド宇川直宏とベルリンからのゲスト・アーティスト黒川良一が、ベルリン当時最先端のデジタルアートや音楽について語り合いました。 協賛 Native Instruments Adidas ドイツ大使館 ベルリン・パートナー 株式会社スペースデザイン The Royal Park Canvas – Ginza 8
そしてもう一人のゲスト、Mio Toyodaちゃんのインタビューは、私にとってもチャレンジ、今までとちょっと違う形式に。
自身のブランド『Sushikatten』で、1点もののガラスのリングを制作している彼女が、ひとつずつ丁寧に紡ぐ言葉たち。
それは、リングを作る過程と似て非なるもの、でも、それに触れている私は、彼女のことがますます愛おしくなりました。
その後ろ(バックグラウンド/背景)に流れる、彼女の好きなアーティストMotion Sickness of Time Travelの楽曲は、窓際で風に揺れている白いカーテンをイメージして。
見開きの吉晴くんのインタビューのページをめくると、偶然にも、前々回《In Every Second Dream》にゲストで出てくださった、DJのShhhhhさんのディスク・ガイドのレビューが。(「Fragments du Monde Flottant」/ V.A. をセレクト)
ShhhhhさんのDJも選曲も好きだけど、文章や言葉もとっても好きです。
さらに2ページめくると、ブラジル最注目のシンガーソングライターであるアントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)のインタビューを、dublab.jpのボスである原雅明さんが担当していました。(去年、「公開ライナーノーツ」なるものを担当なさったそうです)
アントニオをはじめ、ゴールドムンド(Goldmund)や、ハニャ・ラニ(Hania Rani)なども出演するピアノフェスティバル「PIANO ERA 2019 - ザ・ピアノエラ2019」が、私の家の近所でもある「めぐろパーシモンホール」であるようです。行きたい!
––––––––––––––––––––––– ▼Information ––––––––––––––––––––––– dublab.jp Radio Collective #211 “In Every Second Dream” @ Tokyo(19.10.30) 10月30日の放送は、ひとつのテーマに沿ってお送りする、DJ Emeraldによる番組『In Every Second Dream』の第4回目。 今回のテーマは、『光(Light)』です。 ゲストには、昨年ファーストソロアルバム『Aspiration』をリリースし、2019年には久保田麻琴プロデュース阿波踊りのリミックス/コンピレーション盤『ぞめき八 Re-mixes Stupendous!』への楽曲提供も行っている作編曲家・武田吉晴氏を迎え、『光』についてのトークと選曲をお届けします。 また、番組後半では、ガラス工芸のパートドヴェール製法を用いて、世界にひとつだけのリングを制作している作家・Mio Toyodaさんを招き、自身のブランド『sushikatten』についてのインタビューをお送りします。 最後までどうぞお楽しみください。 dublab.jp Radio Collective #211 “In Every Second Dream” @ Tokyo 日時:2019年10月30日(水曜日)20:30〜22:30 labrat DJ : DJ Emerald Guest : 武田吉晴(Yoshiharu Takeda)/Mio Toyoda [sushikatten] Design : Shinya Sato